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愛犬の病気を理解し、納得した上で治療を受けていますか?

病気を納得し、理解した上で治療を受けることをインフォームドコンセントと言います。医師の立場から考えるインフォームド・コンセントには、次のようなポイントがあげられます。

1.病名や病状をしっかりと伝える
2.必要だと予想される検査や治療についての目的や内容を伝える
3.検査や治療を行うことによって予想される結果やそれに伴う危険性を伝える
4.検査や治療を受けない場合に予想される結果を伝える

つまり、その病気についての正しい知識を治療をする側がきちんと提示し、治療を受ける側は、それらを自分の中で理解、納得した上で、医師からのプレッシャーなどを感じることなく、自分の価値観や自分の意志で、自由に治療法を選択できること。このすべてが揃ってインフォームド・コンセントと言えるでしょう。
飼い主さんは自分の家族の一員であるペットを守る義務があります。無謀な治療を許すわけにはいきません!!
ペットとの関係が、より密なものになってきたここ10数年で、動物病院でもインフォームド・コンセントが当たり前になってきました。インフォームド・コンセントを行う上で、非常に難しいのは、基礎的な知識のない飼い主さんに、どのように説明すればわかりやすく、正確に伝わるのかということです。
インターネットや書物で、病気に対しての一部の知識を持っている方は多いものの、いちばん重要な、基本的な部分の知識のない飼い主さんに病名をお知らせし、治療法を説明し、理解、納得してもらうことは大変難しいのです。

飼い主にできることは?

より理想的なインフォームド・コンセントを実現するために注意点。

1.その動物に関係している人すべてが、一緒に説明を聞く
2.説明を受けたらその場での判断は避け、家に戻り、冷静に、今後の治療について検討する
3.手術が必要とされる場合には手術に立ち会う

すぐに手術を受けなければ明らかに手遅れになるという場合は別として、通常の診療時間内に、きちんと説明をするにはどうしても限界があります。納得できる説明を受けるためには、診療時間が終わってから、ご家族が揃って獣医師に病気や治療についての話を聞くことが望ましいでしょう。時間外では困る、という医師はいないはずです。時に家族が一人ひとり、別々に説明を求めに来るケースもありますが、それでは時間だけが経過して、適切な治療が遅れてしまうだけだということを認識すべきです。家族みんなが揃って時間を作ることが大切なのです。
説明を受けたら、その後の治療について、みんなが揃って判断。手術が必要ならば、立ち会う。立ち会うことで、手術が終わった後の担当医からの説明を、より具体的に理解し、納得できるようになるでしょう。

動物医療の現場

「経験に裏打ちされた治療」と聞くと、きっとどなたもが「それなら大丈夫」と感じることでしょう。しかし、経験の上に成り立つ治療よりも、検査に基づく治療のほうが合理的で、しかも確かなのです。
検査を重ねると、どうしても時間の経過とコストの問題が出てきます。この問題を安易に解決しようと、経験に頼って治療を行うと、時として、誤診、医療過誤の問題も起こりうると思います。多くの誤診が経験を過信し過ぎた結果といっても過言ではないでしょう。
また、獣医師にとってはさほど難しくない病気、たくさんの経験があるから大丈夫という思いが、飼い主さんへの、病気についての説明不足につながることもあるでしょう。
しかし、ミスをおかしたくておかすのではありません。説明する必要はない、と思って説明不足が生じているわけではないということは、どうかご理解ください。私たち獣医師は、どんな時でも、この命がどうか助かってくれますように、どうか治ってくれますようにと願いながら、真剣に、日々治療を行っています。

気持ちの持ち方

家族の一員である動物が病気になってしまった時、飼い主さんの気持ちの持ち方は動物の病気に対して、非常に大きく影響することを実感しています。
病気がここまで進行してしまっていてはもう助からない、と診断の結果を伝えた時「大丈夫、この子はきっと助かる」と信じている飼い主さんに飼われている動物の場合、驚くほどの治療効果が得られることがしばしばあります。逆に、病気を重く受け止めすぎて落ち込んでしまう飼い主さんに飼われている動物の場合、何故こんなに早く病気が進んでしまうんだろうとびっくりするケースもあります。飼い主さんの不安を動物が敏感に感じ取り、一緒に落ち込んでしまった結果なのではないかと思うことがあるのです。 人間だけでなく、動物も気持ちで生きています。気持ちの持ち方は病状を大きく左右します。
同じ病気で、進行状況も同じくらいの動物がいたとします。大きな余裕のある心で病気を受け止めて治療にのぞむ飼い主さんの動物は、治りも早いし、長生きもします。
動物が病気になってしまった時、インフォームド・コンセントを求めるのは飼い主さんの権利です。その時の説明を、まずは大きな心で、冷静に受け止めていただきたいと思います。

コラム:若林救急動物病院・Will動物病院 院長の千葉先生

千葉先生にペットの健康、動物医療について等、幅広い観点からお話をうかがっています。
飼ってるワンちゃんに異変を感じたら、まずお近くの、またはかかりつけの動物病院にいって相談しましょう。

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